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2024.03.01 / 家づくりコラム

注文住宅で階段を配置する際に大切な知識を徹底解説

注文住宅を建てる際、階段の構成や種類を把握したうえで、設置する場所を決めることが大切です。本記事では、階段を玄関ホールやリビングなどに設置するメリット、安全性を意識するときのポイントを解説します。

 

注文住宅の建築を検討している方のなかには、階段をどこに設置すべきかわからない方がいるのではないでしょうか。階段の設置場所によっては、得られるメリットが異なります。

そこで本記事では、注文住宅で階段を設置するときのメリットやポイントをご紹介します。そのほか、階段の構成や種類もお伝えするので、家族が快適に過ごせる家をつくりたい方はぜひ参考にしてください。

 

注文住宅なら階段も自由につくれる?

注文住宅を建築する場合、階段も自由に設計できます。たとえば、階段の踏み板や手すり部分などの素材を自由に決められたり、階段を好みの場所に設置したりすることが可能です。

具体的には、家の壁に沿って設置するパターン、家の中央に設置するパターン、家の隅に設置するパターンなどがあります。設置する場所や階段の種類によって、生活動線や使い勝手などが異なってくるでしょう。

 

階段の構成

注文住宅で階段を設置する際、階段の構成を理解しておくことで、建築基準法による決まりや自由に設計できる部分などを把握できます。ここでは、階段の構成について6つに分けて解説します。

 

踏板

踏み板とは、足で踏みしめる板の部分です。踏み板の奥行きが狭ければ、かかとがつかないのでつま先で上がる感覚になります。

しかし、建築基準法によって15cm以上と決められているので、狭すぎてしまうということはないでしょう。

 

蹴込み板

蹴込み板とは、踏み板の立ち上がり部分で引っ込んでいるところです。上下の踏み板をつなげる役割がありますが、蹴込み板がない階段もあります。蹴込み板を設けないことで、開放感のある空間づくりができるでしょう。

 

側桁

側桁は、階段の両側にある板材のことです。踏み板や蹴込み板を支える役割があり、ほかの構成と比べてデザインを施しやすいので

階段の印象を変えたい場合は、側桁のデザインを考慮するとよいでしょう。

 

踏み面

踏み面は、奥行きからかかと側にある段鼻の長さを除いた寸法を指します。踏み面も建築基準法により15cm以上であると定められており、安全に上り下りできる寸法であるか確認する際に大切です。

 

蹴上げ

蹴上げは、一段一段の高さを指します。蹴上げの寸法が低ければその分上り下りを楽に感じますが、建築基準法により23cm以下と定められています。

小さいお子さんや年配の方がいる場合は、上り下りが辛く感じないように蹴上げの寸法を考慮する必要があるでしょう。

 

手すり

手すりは、その部分を掴みながらスムーズに階段を上り下りするために、階段の両側に取り付けられたものです。

とくに、年配の方がいる家庭では、注文住宅を建築する際に手すりの位置や形状などに着目するとよいでしょう。

 

 

階段の種類

階段の構成を理解できたら、どのような種類や形状の階段があるのか確認していきましょう。ここでは、階段の種類を6つに分けてご紹介します。

 

直線階段

直線階段は、その名のとおりまっすぐ上り下りできる階段のことです。階段の途中で曲がることがなく、到達地点まで最短距離でたどり着けるので、階段を設置する場所を最小限に抑えられるメリットがあります。注文住宅で階段を設置する際、直線階段が採用されるケースがもっとも多いといわれています。とくに、狭小住宅などの限られた土地のなかに家を建てなければいけない場合などにおすすめです。また、直線階段はデザインがシンプルなので、設置費用が安く済む点もメリットです。ただし、直線階段は急になってしまいがちなので、手すりをつけるなどして、安全面を考慮しながら設計する必要があります。

 

かね折れ階段

かね折れ階段は、上り下りする途中に踊り場があり、L字に曲がれる階段のことです。L字型になっているので、家の隅にあるスペースを活用して、階段を設置できます。途中で踊り場を設けることで、階段の勾配を緩やかにできるメリットがあります。直線階段と比べると段数が多くなる可能性がありますが、楽に上り下りできるケースが多いです。とくに、小さいお子さんや年配の方がいる家庭におすすめです。また、階段の構成によっては、階段下から2階や3階の様子が見えないので、上の階に住んでいる方のプライバシーを守る役割もあるでしょう。たとえば、お子さんの成長過程を考慮して設計することがポイントです。

 

折り返し階段

折り返し階段は、途中で踊り場が設けられており、Uターンするように折り返して上り下りできる階段のことです。直線階段やかね折れ階段と比べて、足を滑らせたときに上から下まで一気に落ちてしまうというリスクを最小限に抑えられるメリットがあります。安全性が高い点を重視したい方は、折り返し階段がおすすめです。踊り場の面積も広くなる傾向にあるので、ゆとりのある階段を設置したい方にも適しています。ただし、ほかの種類の階段よりも広い設置スペースが必要です。段数も多くなる傾向にあるので、建築基準法をクリアした状態で上り下りしやすい構成を考慮する必要があるでしょう。

 

らせん階段

らせん階段は、その名のとおりらせん状に上り下りできる階段のことです。踏み面が三角形に近い形をしており、中心に近づけば近づくほど面積が狭くなる傾向にあります。ほかの種類の階段と比べると、設置スペースを最小限に抑えられるメリットがあります。そのため、狭小住宅を建てる方や階段以外のスペースにゆとりを持たせたい方におすすめです。らせん階段は一般的な住宅で見られるケースが少なく、おしゃれな空間づくりをしたい場合にも適しています。ただし、1階から2階、3階へと家具や家電を搬入するときに、幅が足らずに運べないケースがあります。その場合、階段からではなく、屋外から窓をとおして搬入するケースがほとんどです。クレーンを使って搬入することが想定されるので、搬入にかかる費用の考慮が必要です。

 

スケルトン階段

スケルトン階段は、側桁が設けられておらず、骨組みと踏み板のみで設計された階段を指します。両側の骨組み部分をそのまま手すりとして活用できるので、ほかの種類の階段よりも費用を抑えられる可能性があるでしょう。スケルトン階段のほかに、オープン階段・スリット階段・ストリップ階段・シースルー階段とも呼ばれています。窓際に階段を設置しても、スケルトン階段なら光や風を部屋に取り込めます。ただし、小さいお子さんの場合は、隙間から落ちてしまう恐れがあるため、お子さんの年齢を考慮して設計しましょう。

 

ボックス階段

ボックス階段は、箱を積み上げたような見た目が特徴の階段です。箱型階段とも呼ばれており、箱の部分を活用してそのまま収納スペースとして使えます。そのため、階段を設けるスペースだけではなく、収納スペースにも重視したい方におすすめです。

また、ボックス階段の下にあるスペースを活用して、トイレを設置するケースがあります。ただし、ボックス階段はスケルトン階段のように、視線が抜けるところがないので、白色を基調としたデザインにすることで圧迫感を取り除けるでしょう。

 

 

 

階段を設置する際のポイント

注文住宅で階段を設置する際、いくつかのポイントを把握しておくことで、失敗や後悔を未然に防げる可能性があります。ここでは、階段を設置するときのポイントを5つご紹介します。

 

最初に設置場所を決める

まず設置場所を決める必要があるでしょう。一般的に見られる階段の設置場所は、玄関ホールまたはリビングです。どちらに設置するかによって、生活動線や家全体の雰囲気が大きく異なります。

設置場所をはじめに決めておくことで、どのような形状の階段を設置できるか、階段を設置するのにどれくらいのスペースが必要なのか、などのポイントが明確になってくるでしょう。

ここでは、玄関ホールとリビングに階段を設置するメリットをご紹介します。どちらのメリットを重視したいか考慮しながら参考にすると、注文住宅の間取りがイメージしやすくなるでしょう。

 

玄関ホールに設置するメリット

玄関ホールに設置するメリットは、リビングに行かずに2階や3階に行ける点です。とくに、2階や3階を主な居住スペースとしている場合は、玄関ホールに設置することがおすすめです。

1階にリビングがある場合は、来客と顔を合わせずに2階や3階に移動できます。思春期のお子さんがいる家庭では、お子さんにとってストレスフリーな環境がつくれるでしょう。ただし、リビングに顔を見せる頻度が少なくなってしまう可能性があるので、家族とのコミュニケーションが減るケースがあります。玄関ホールに階段を設置する際、ほかのポイントで家族との時間が取れる工夫をするとよいでしょう。

 

リビングに設置するメリット

リビングに階段を設置するメリットは、家族とのコミュニケーションが取りやすい点です。リビングをとおらないと2階や3階に行けないので、家族と顔を合わさずに1日を過ごすというケースは少ないでしょう。また、リビングに階段をつくると、リビングのデザインのひとつとして見られます。そのため、階段のデザインにも力を入れたり、リビングの雰囲気と合わせてシンプルにしたりすることで、家全体の雰囲気がよくなるでしょう。階段をスケルトン階段にしたり、天井を設けずに吹き抜けにしたりすると、開放感のある空間づくりができます。ただし、思春期のお子さんにとっては、2階や3階の物音が1階に聞こえる可能性があるので、プライバシーの配慮に欠けると感じてしまうケースがあります。

 

安全性や実用性の高さを意識する

階段は家全体や部屋の雰囲気を左右するものといっても過言ではないですが、デザインだけではなく、安全性や実用性の高さにも意識してみることが大切です。たとえば、踏み板の面積を狭くすることで費用を抑えられますが、踏み外してしまうリスクも上がってしまいます。そのほか、手すりが掴みづらい場合や勾配が急になっている場合、人によっては上り下りしづらいです。とくに、小さいお子さんや年配の方がいる家庭では、階段で転んだり踏み外したりするリスクを考慮する必要があります。

安全性や実用性の高さを考慮するなら、階段の途中で踊り場を設けることがおすすめです。なかでも折り返し階段は、転倒しても下まで落ちてしまうリスクを最小限に抑えられるでしょう。

 

階段下のスペースを有効活用する

階段のデザインや安全性を考慮するあまり、階段下がデッドスペースとなってしまうケースがあります。玄関ホールに階段を設置する場合は、トイレや収納スペースとして活用するケース、リビングに階段を設置する場合は、子どもの遊び場所やテレワークスペース、収納スペースとして活用するケースが多く見られます。また、階段下を子どもの遊び場所やテレワークとして活用する場合は、インテリアの一部分として階段のデザインを考慮することがポイントです。机や椅子を選ぶ際、階段のデザインに合わせるとよいでしょう。

 

冷暖房対策を施す

注文住宅で階段を設置する場合、快適に生活ができるように、冷暖房対策を施すことが大切です。たとえば、風が吹き抜ける構造になっているスケルトン階段にすると、冷暖房が効きやすくなります。

階段の構造に加え、天井を吹き抜けにしたり、天井にシーリングファンをつけたりするとよいでしょう。冷暖房対策では、どのような工夫で家全体の空気を循環できるか、考慮することがポイントとなっています。

 

照明にもこだわる

注文住宅で階段を設置するとき、階段部分の照明にもこだわってみるとよいでしょう。照明の設置場所は、天井だけではなく、壁や手すりの裏側、踏み板の裏側などさまざまです。自分でつけたり消したりできる照明もありますが、人感センサーがついているものもあります。

照明の種類は、階段の壁に取りつけられるブラケットライト、天井に貼り付けるように設置できるシーリングライト、天井から吊せるペンダントライト、足元を照らせるフットライトなどがあります。

また、照明の明るさは、目が眩んでしまうのを防ぐために、明るすぎないものを選ぶことがポイントです。直接目に光が入らないように、設置場所を考慮する必要があるでしょう。

 

まとめ

注文住宅の階段は、種類から設置場所まで自由に決められます。階段の位置によって、家全体の印象やスペースの使い勝手のよさなどが異なります。

階段の形状や設置場所にこだわりたい場合は、まず注文住宅に対応している業者を探すことが大切です。その際、冷暖房対策や照明などにもこだわれるか確認しておくとよいでしょう。

グランレブリーは、着工数3,000を超える実績を持つ建築会社です。一から自分好みの家づくりができるだけではなく、建物や地盤などそれぞれに保証が備えられているので、アフターフォローも重視したい方はぜひご相談ください。


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