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2024.01.06 / 家づくりコラム

子育てに適した間取りとは?失敗例と対策は?

子育てに適した間取りは家族構成により家庭ごとに異なります。家族全員がゆったりできるリビングや、使い勝手のよいキッチンなどは誰でも悩むところでしょう。収納や各部屋の配置なども長期的な目線で考えたいものです。

 

子育て世代に適した間取りは、部屋数のみならず導線も考えなければなりません。今の状況だけにフォーカスするのではなく、10年後20年後も考えることが大切です。

今回は子育て世代に適した間取りを解説するとともに、実際の失敗例と対策を紹介していきます。これからマイホームを建てる予定がある方や、子育て中の間取りを考えている方はぜひチェックしてみてください。

 

子育てに適した部屋の間取りは?

結婚して子どもが生まれると、子どもが独り立ちするまでは子育てが続きます。そんななか、マイホームを建てる場合は、子育てしやすい間取りや導線を優先した設計が必要です。はじめに子育てに適した間取りに着目して紹介していきます。

 

▼キッチンとリビングが対面している

子育て中であることを意識するとキッチンは、ママと子どもの接触や見守りの場にもなります。そのため子どもがダイニングテーブルで遊んだり勉強したりできることや、ママがキッチンで料理や洗い物をしながらでも子どもの様子を見守ることができる間取りが理想的です。

たとえば、シンクがダイニングやリビングと対面している対面キッチンや、キッチンとほかのエリアの仕切りがないオープンキッチンの場合、キッチンに居ながら子どもの様子を見守ることができます。家族とのコミュニケーションも取りやすいでしょう。

また、赤ちゃんがいる家庭の場合、赤ちゃんが泣いたタイミングですぐに気づくことができ、対応できるなどのよさもあります。そして赤ちゃんが寝たらすぐにキッチンに戻って家事の続きをする、といったように使い勝手もよいメリットがあります。

 

リビングの近くに子ども用のスペースがある

リビングにフォーカスする場合、子どもが遊べるスペースがあると家族で見守ることができます。たとえば、リビングのすぐ脇に畳の小上がりがある、和室がある、キッズスペースがあるなどです。

子どもがまだ赤ちゃんなら、和室や畳の小上がりにベビー布団を敷いて寝かせておけますし、ハイハイなど自発的に動きのある時期でも畳の適度なクッション性はフローリングよりも安全です。

さらに子どもが1人で遊びや勉強ができるようになったとしても、ちょっとしたキッズスペースがあれば集中できる空間として活用できるでしょう。子育て世代の間取りとして、リビングのそばに適度なスペースがあると、さまざまなシーンで活用することができます。

 

▼玄関と浴室が近い

子育て世代の間取りのポイントとして、玄関と浴室が近いとなにかと便利であることが挙げられます。外遊びをするくらいの子どもがいる場合、遊びから帰ってきてすぐにシャワーを浴びたり、お風呂に入ったりできるからです。

玄関から洗面所、脱衣所、浴室の導線が直線である、浴室直通などの工夫があれば、子どものみならず大人が汚れて帰宅した際にも活用できます。また、玄関から浴室までの導線がスムーズなら、マイホームそのものの衛生環境も保てるでしょう。

水回りが家の一角にまとまっていると、家事の導線としても使い勝手がよいです。移動距離が短くなり、キッチンで調理をしながら洗濯ができるといったように、さまざまな面で効率化を図ることができます。

 

 

子育てに適した間取りづくりのポイント

子育て中に考えたい間取りには、子どものことはもちろん、家事導線、家族構成などにも配慮が必要です。一人ひとりの生活に寄り添うことや、使い勝手のよさなども含めてポイントを紹介していきます。

 

安心してつながれるレイアウト

家事をしながら子どもを見守れるのは理想的な間取りではないでしょうか。子どもがどこでなにをしているのか、安全は確保できているかなどを常に目に見えるようにしておくには、適度な距離感や効率性が大切です。

たとえば、キッチンとダイニング・リビングなら、オープンキッチンと仕切りのないレイアウトにするなど動きやすくそれぞれの部屋がつながっている間取りがよいでしょう。ドアなど仕切りをつけるとしても、子どもの様子がわかるクリアなガラスやそれに準ずる半透明な素材を使うといった工夫があると安心です。

 

▼散らかしてもストレスにならないスペースづくり

子どもが自分のパーソナルスペースとして認識できる空間は、子どもの成長を促すとともに、おもちゃなどで散らかしたとしてもほかの空間への影響がほぼありません。たとえば、小上がりやロフト、子ども部屋などなら子どもが自由に過ごすことができます。リビングやキッチンから散らかっている状態が常に見えるわけではないので、ほかの家族が片付けるとしてもその都度ストレスを感じるということは少なくなるでしょう。

 

▼家事の負担が少ない動線設計

ワンオペで育児をする場合、どうしても手が行き届かないところが出てきてストレスを感じやすくなります。親がイライラしていると子どもにもマイナスの影響を与えるため、家事の負担はできる限り軽減したいものです。

そのためリビングを中心に育児をしながら家事をこなせる間取りにしたり、なるべく仕切りのないフラットさを意識した間取りにしたりすると、家族間での声がけなどもスムーズになるでしょう。

 

収納が楽しい造作収納

家のなかで収納スペースは限られた空間を活用するか、あえて収納スペースを作るかでわかれますが、壁面に飾り棚を設置して家族全員が片付けられる収納スペースを作るのもおすすめです。たとえば、キッチンに家族分のマグカップをかけておけるラックを置くことや、リビングにはリモコン類を収納できる小箱を置くなどが挙げられます。

収納が見えることで必要なものがどこにあるか把握でき、子どもはもちろん家族みんなで片付けられる空間となるでしょう。

 

 

 

子育て重視の家の失敗例と対策

子育てしやすさを意識して作った家は、家事動線がスムーズで子どもはもちろん家族全員が過ごしやすい環境といえます。しかし、実際に暮らしはじめると思っていたのと違ったというミスマッチを感じることもあるでしょう。そこで、ここでは実際にあったミスマッチから、より子育てしやすい家にするための対策を紹介していきます。

 

 失敗例① 

子ども用のスペースが将来デッドスペースに

子どものパーソナルスペースとして作った空間は、子どもが独立したあとに誰も使わなくなる可能性があります。どのような事例があるのか見ていきましょう。

▼子ども部屋は使い勝手が悪くなる

子ども部屋は、子どもが進学や就職などで一人ぐらしをしたときに、誰も使わなくなるか、ほかの家族にとっては使い勝手の悪さを感じることがあります。子どもが複数人いる場合は、とくにこうした傾向があるでしょう。遊び場として使っていたスペースなどは、遊び道具の処分に困る可能性もあります。

 

 対策① 

▼子どもが独立した後の使い道も考慮する

間取りを考えるときは、今現在だけにフォーカスするのではなく、10年後20年後、夫婦ふたりだけになったときのことも考えて設計することが大切です。子どもはいずれ独立して家を出るという前提で考えておかないと、そのとき子どもが使っていた空間はデッドスペースになってしまいます。そのため子どもが複数人いる場合は、大きな子ども部屋を1つ作り、必要に応じて仕切って使用し、独立したあとは仕切り直して別の用途に使うといったことも1つの方法です。

 

 失敗例② 

▼子どもの落下や火傷の危険性

広々して開放感のある家に憧れる方もいると思いますが、子どもが小さいうちは開放感が仇となる可能性があります。具体的にどのようなことがあるのか見ていきましょう。

▼開放感を求めて子どもの安全性に欠けている場合も

リビングを吹き抜けにするなど開放感あふれる家は、気持ちよく過ごせることから人気があります。しかし子育てをするうえでは、安全性を重視した設計が重要です。

たとえば、四方が壁に面していない開放感が人気のアイランドキッチンは、子どもがキッチンの周囲を自由に行き来できることや、ベビーゲートの設置が難しいため、誤飲や火傷の恐れがあります。スケルトン階段もおしゃれで人気ですが、踏み板の間から子どもが落下する可能性もあるでしょう。

 

 対策② 

▼空間の開放感だけでなく安全性も考える

開放感を感じられる家は確かに気持ちがよく、おしゃれに見えます。しかし、開放感やおしゃれさだけでなく、安全性を重視しなければなりません。子どもが小さいうちはキッチンへの侵入を防ぐため、壁面に一方が面するI型キッチンにすることや、ベビーゲートを設置するなどの対策が必要です。また、スケルトン階段にはネットを設置する、階段はなかほどに踊り場を設けるといった工夫があるとよいでしょう。

 

 

引っ越し前にゾーニングを考える

ゾーニングとは一つの空間を用途に応じて区切ることをいいます。引っ越しする際には、ライフスタイルや家族との関わりを考えてどんなスペースが必要なのか、考えることが大切です。どうやって暮らしたいかを実現する一歩でもあり、引越し後の生活に影響するため、事前にしっかりゾーニングについて考えていきましょう。

 

 

優先順位を数個に絞る

部屋の割り振りをする際は、それぞれの役割ごとに希望を出すことができますが、これらをすべて叶えようとすると相当広い部屋が必要になります。

たとえば、10畳のリビングにソファやダイニングテーブルを置くと、横になってくつろぐスペースがとれない、パパとママそれぞれにワークスペースがほしい、子どもが遊べるスペースも確保したいなど、ざっと考えただけでもこれだけ出てきます。

単純に10畳のリビングでは厳しいことがわかるでしょう。だからといって、ソファやダイニングテーブルをコンパクトなサイズにすればよいというものではなく、どんな暮らしがしたいかを思い浮かべて現実的に考えることが必要なのです。

ゾーニングは優先順位をつけると整理しやすくなり、なおかつ優先度の高い順に数個程度へと絞り込むことがポイントです。絶対にゆずれないもの1つ、多少妥協してもよいもの2つなどのように決めることで、理想的な暮らしの軸となる部分は実現できるでしょう。

 

希望のすべてを盛り込むこともできますが、一つひとつの希望が中途半端になったり、どれもこれも妥協した状態になったりする恐れが出てきます。トータル的に見れば、大体の希望は実現できているのにソファは希望よりコンパクトサイズ、子どもが走り回れるスペースはあるけど、家族がリラックスできるスペースが窮屈になった、などのように十分な満足度を得られない生活になる可能性があります。

切り捨てても問題ないものや、代用できる部分などはあとから考えても問題ありません。ゾーニングの際にこうした決断ができないと、生活してみてしっくりこない、どこかアンバランスさを感じるといったミスマッチを感じやすくなります。

では、実際にゾーニングを書き出すには、どのようなポイントがあるのでしょうか。次はゾーニングを書き出す際のポイントを紹介します。

 

 

ゾーニング書き出しのポイントは?

ここで大切なのは「子どものスペース」「家族が集まるスペース」などのように役割だけを書き出すのではなく、具体性を持たせて書き出すことです。

役割だけをピックアップした場合、次はどこにどの家具を置くかを考えてしまい、どのように過ごすかは含まれないまま話が進んでしまいます。ゾーニングはどう過ごすかを実現する工程なので、子どものスペースではなく、子どもが走り回れるスペースなどのように過ごしている風景を浮かべて書き出していきましょう。

 

たとえば、パパとママのワークスペースをとりあげると、家計簿を付けるなどちょっとしたワークスペースがほしいのか、集中して作業できるワークスペースがほしいのでは、必要な環境や設備が違ってきます。ちょっとした作業をするなら、ダイニングテーブルやソファに座ってでも作業できます。

しかし集中して作業したい場合は、ちゃんとしたパソコンデスクと椅子、作業に必要な本棚、インターネット回線の整備などが必要となるでしょう。

こうした過ごし方を思い浮かべて考えてみると、集中して作業するワークスペースをリビングに作るのは難しいことがわかります。そのため隣の洋室または和室をワークスペースにしよう、などと具体的かつ効率よく考えることができるのです。

実際にどう過ごしたいかが明確で、それに付随する条件を打ち出すことで、優先度の高さも決まってくるでしょう。絶対にゆずれない優先度の高いものから着手していく、そうすることで本当に過ごしやすい家づくりを実現できます。

 

 

まとめ

結婚や出産、育児などのようにライフステージが変化すると、部屋の間取りも見直す必要が出てきます。とくに家族が増えたときやマイホームを建てるときは、さまざまな角度から慎重に考えなければなりません。

子育てに最適な間取りは家庭ごとにさまざまなスタイルがあります。しかし、動きやすくて便利な家事動線や子どもの安全性、子どもが独立したあとのことは、間取りを考えるうえでの軸でもあります。実際に引っ越す際は思い描く暮らしを実現できるようゾーニングを行うことも忘れないでください。

子育てに最適な間取りのことなら、理想の暮らしをお手伝いするグランレブリーにご相談ください。ライフスタイルや希望に合わせて、夢を実現いたします。機能性・性能・優れたデザインはもちろん、自分らしく過ごせる家づくりをご提案いたします。


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