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2023.12.23 / 家づくりコラム

【事例紹介】注文住宅のスキップフロアとは?失敗例と対策も解説

注文住宅を建てる子育て世代に人気の間取り、スキップフロアの特徴を解説します。

失敗例からわかる対策方法も交えながら、スキップフロアを取り入れる際に知っておくべき情報をまとめました◎

 

 

縦の空間を有効活用できることから、近年注目されているスキップフロア。見た目もおしゃれで、思わず真似したくなるという人も少なくありません。しかし、一般的な間取りと比べて複雑そうだと考える人もいるのではないでしょうか。

この記事では、スキップフロアならではのメリットとデメリットについて、例を挙げながら紹介します。子育て世代が気になるポイントについても解説しますので、ぜひ家づくりの参考にしてみてくださいね。

 

注文住宅におけるスキップフロアとは?

注文住宅におけるスキップフロアとは、床の段差で空間を仕切る間取りのことです。1階と2階のあいだに生活スペースがあったり、同じフロアのなかに複数の高さの床があったりします。

屋根裏や中二階、半地下、ロフト、小上がりなどもスキップフロアの一種です。一般的にスキップフロアには壁やドアによる区切りがなく、流動的に周辺のスペースとつながっています。

家の中に高低差を作ることで、間取りに変化をもたらすことが可能です。土地面積が狭い住宅や斜面に作られた住宅をはじめとした、さまざまなシチュエーションでスキップフロアが採用されています。

 

スキップフロアの特徴は?

スキップフロアの特徴は、高低差を活かして土地を有効活用できることです。土地面積がまったく同じ場所に家を建てた場合、平屋より2階建て住宅のほうが広く感じませんか?

スキップフロアは2階建てや3階建て住宅と同様に、うまく取り入れられれば狭い土地でもゆったりとしたスペースを確保できます。高さ制限や容積率などの規定があり、天井が低い住宅を建てなければならないケースでも、スキップフロアなら手軽に導入できることもうれしいポイントです。

一般的な間取りだとデッドスペースになってしまう部分に収納部屋を作ったり、リビングや子ども部屋とは別に趣味の部屋を用意したりと、狭い土地でもたくさんの部屋が欲しい人にスキップフロアはおすすめです。

 

 

たとえば、この家はスキップフロア最下段を畳スペースにし中二階を作ることで空いた1階の空間を有効活用しつつ、自由に使える部屋を1つ増やしました。

 

 

スキップフロアを活用して建てられた家には、廊下がほとんどありません。

縦の空間を意識して部屋を区切っているので、横の空間を意識して区切るための壁やドアの必要性が低いからです。

デザインによっては家族が別々の場所にいても様子を伺うことができるでしょう。

 

スキップフロアのある家は、小さな工夫やアイデア次第で、大きな1つの部屋を作ったり、個別スペースを作ったりと便利です。

子どもの成長やライフスタイルの変化によって、壁がない空間をどのように使うのか選択の幅が広がります。

家の間取りを決める際に、将来的な展望を設計士に伝えてもいいでしょう。

子ども部屋や勉強スペースとして作った小上がりスペースをどのように転用するのか考えたり、

老後の生活を見据えた段差があるフロアの使い方を考えたり、家族の暮らし方によっていろいろなアイデアが生まれます。

 

また、壁が少ないスキップフロアは吹き抜けとの相性がいいです。

たとえば、この家のように中二階へスキップフロアを用意すると、余ったスペースを活かしつつ広々とした居場所を作れます。

陽光をたくさん取り入れた家や、家族とのコミュニケーションがとりやすい家を建てたい場合

吹き抜けとスキップフロアを組み合わせるといいでしょう。

ビルトインガレージを検討している場合も、スキップフロアがある間取りと併用しやすいです。

ビルトインガレージは家の一部としてガレージを組み込むので、デッドスペースが生まれてしまいます。

その余った空間をスキップフロアとして活用することで、限られた空間を効率的に利用できるようになるのです。

ガレージと生活空間の間に部屋をひとつ挟むため、内と外との緩衝材になったり、防音効果を高めたりできます。

 

 

 

スキップフロアのメリットは?

ここからは、スキップフロアのメリットについて解説します。

空間の有効活用

第一に注目すべきポイントは、空間を有効活用できる点です。段差を活用すれば縦の空間まで生活スペースとして使えるようになり、自由に間取りを考えられるようになります。

スキップフロアは、条件を満たせば延床面積に含まれないこともメリットのひとつです。一般的に、天井までの高さが1.4m以下で設置場所が直下にある階の2分の1未満であれば、除外対象になるかもしれません。自治体によって基準は異なりますが、一考の価値があるでしょう。

 

狭小地や平屋でも有効

スキップフロアの家を建てるにあたって、とくに厳しい条件はありません。狭小地や平屋でも、家のタイプに合わせたスキップフロアを作れます。

たとえばスキップフロアの平屋を建てる場合、居住空間にメリハリをつけられるでしょう。平屋は長方形の土地に建てると奥まった印象を持ちやすいですが、スキップフロアを活用すれば適度にのびのびとした雰囲気を演出できます。

 

開放的で明るい空間が作れる

スキップフロアのある空間は壁が少ないので開放的です。日光を取り入れやすい窓や吹き抜け、中庭などと組み合わせると、家全体に明るいイメージをもたらせます。

また、スキップフロアの配置を工夫することで風通しをよくすることも可能です。雨の多い季節も快適にすごせるでしょう。

 

リビングからの景観がよくなる

右側のお家のようにリビングからつながる階段にスキップフロアがあると、景観が立体的になります。

見る角度によって新たな発見が生まれ、より一層自分の家に愛着が湧くでしょう。

また、子どもの遊び場をスキップフロアに用意した場合、リビングから子どもの様子をある程度チェックできます。

気になることがあったときは、いつでも声を掛けられるでしょう。

 

階段下を収納として利用できる

スキップフロアは、段差を活かした収納スペースを作ることが得意です。キャビネットや収納家具をたくさん用意する必要がなくなり、部屋をすっきりさせられます。

たとえば、中二階を作って生活空間を拡張した場合、階段下は絶好の収納スペースです。掃除機や粘着クリーナーなどの掃除アイテムをしまったり、秘密の書棚として漫画や書籍を保管したりできます。

 

傾斜地でも土地形状を生かせる

傾斜地にスキップフロアの家を建てると、土地の特色を生かした家を建てられます。低い部分を半地下にしたり、高低差に合わせた階段を作ったりできます。

また、傾斜地はほかの土地と比べてリーズナブルな価格で手に入りやすいこともあり、費用をできる限り抑えたい人におすすめです。

 

 

注文住宅にスキップフロアを取り入れた失敗例と対策

個性的かつ数々のメリットがあるスキップフロアですが、取り入れ方を誤ると後悔してしまうかもしれません。ここからはスキップフロアの失敗例について解説します。

失敗した理由とともに解決策にも触れていますので、家づくりの参考にしてみてください。

 

空調が効きづらい

スキップフロアのある部屋は空調が効きづらいです。壁面が少なく、フロア全体が大きなワンルームのようになるため、細かく部屋を区切るより電気代が高くつくケースも少なくありません。

また、部屋全体に冷暖房を効かせるまでに時間がかかります。1か所だけピンポイントで暖めたり冷やしたりできないことも特徴です。

 

断熱性や気密性を高める

空調の効きをよくするためには、断熱性や気密性を高める方法を検討しましょう。断熱性や気密性が高い素材を検討したり、全館空調で家全体の温度を管理できるようにしたり、工夫次第で不便さを改善できる可能性があります。

また、天井が高い間取りならシーリングファンで素早く空気を循環させるといいでしょう。寒い地域では床暖房を活用することもおすすめです。

 

掃除が面倒

段差が多いスキップフロアには、掃除が面倒だというデメリットがあります。高低差があるので、広い範囲で掃除機ロボットが使えません。

また、角が増えることにより、段差が少ない間取りよりもほこりが取り除きにくくなってしまいます。

 

掃除道具を各スペースに準備

掃除道具を持って広い範囲を上り下りするのは大変です。重たい掃除機などを持ち歩かなくても済むように、初めから掃除用具を各スペースに準備しておきましょう。

普段から、小さいスペースをこまめに掃除する習慣がつけば、大がかりな掃除をする手間も省けるようになります。粘着テープやフローリングワイパーなどが近くにあるだけで、ぐっと掃除の大変さが下がるでしょう。

 

バリアフリーが難しい

スキップフロアはバリアフリー化が難しいという特徴もあります。車いすで生活する人や、足腰に負担がかかりやすい人にとって、スキップフロアの段差は大きな障壁です。

低い段差でも転倒の原因になりやすく、高齢者や子どもがいる家庭では、より安全に暮らしていくための配慮が必要になります。

 

水まわりや寝室を1階にまとめる

将来を見据えてスキップフロアの住宅を建てる場合、水まわりや寝室を1階にまとめるといいでしょう。ふだんの生活に必要な導線がワンフロアで完結するので、段差を上り下りする機会を減らせます。

スキップフロア部分は、補助的な空間と考えるとわかりやすいです。子どもの遊び場や多目的スペース、客間など、生活のスタイルによって変化する部分をスキップフロアにすれば、不測の事態が起こってもカバーしやすくなります。

 

音や匂いの広がり

スキップフロアを取り入れた住宅は壁が少ないので、テレビの音やキーボードの音、匂いが気になることが多いです。コミュニケーションがとりやすい一方で、相手の様子が筒抜けになりすぎるというデメリットがあります。

 

寝室や作業部屋に壁を作る

寝る場所や作業する場所など、プライベートな空間は確保しましょう。家に住むイメージを明確に持ち、どこに壁のある部屋が必要か見極めておくと安心です。

 

上手な活用が難しい

そもそも、スキップフロアでできた空間を上手に活用できていないという声もあります。アイデア次第でたくさんの利用方法があるスキップフロアですが、きちんと計画を立てていないと利用せずに終わってしまう可能性もあるかもしれません。お洒落だからという理由だけでスキップフロアを採用すると、導線や広さがかみ合わず、物置スペースや通り道になってしまいます。

 

スキップフロアの使い方を明確に

スキップフロアのある住宅を設計する際は、デザイン面と同時に使い方を明確にしましょう。使い勝手がいい家にするためには、実際に住んでみたときにどのような生活を送るか、想像力を膨らませることが大切です。

段差が生まれた場所で何をしたいのか、空間を区切ることでどんな効果を期待するのか、明らかにさせておきましょう。

 

おしゃれにするにはセンスが求められる

おしゃれな家を建てたくてスキップフロアを取り入れたはいいものの、イメージと出来上がりが違っていたという人は少なくありません。無難な仕上がりを避け、自分好みのスキップフロアを作るためには、適格にイメージを伝えるコミュニケーション能力や、工務店スタッフの経験値など、双方のセンスが求められます。

 

理想に近い写真を用意しておく

自分が理想とするイメージを、言葉で完璧に伝えることは難しいです。真似したいデザインがある場合は、写真を持ち込んで相談しましょう。

また、スキップフロアの施工が得意なハウスメーカーに依頼することもおすすめです。過去のノウハウが蓄積しているので、依頼者の気持ちを汲み取った対応をしてくれるでしょう。

 

 

スキップフロアの費用は?工事費への影響や相場

たくさんの特徴があるスキップフロアですが、費用面で注目すべきポイントはあるのでしょうか。ここからは、スキップフロアにする場合の工事費や、相場について紹介します。

 

工事費への影響について

段差を作るスキップフロアは、一般的な住宅と比べると工事費が高いです。同じ2階建ての家でも床面積が増えるので、階段や床に必要な資材が大幅に増えます。

そもそも床が上下にずれているため、耐震設計や構造計算のための費用が必要です。間取りや建物自体の形が複雑になりやすく、工事費や設計費がかさむ可能性があります。

 

スキップフロアは、段差の数や広さ、デザインによって価格変動しやすいので、簡単に相場を算出することはできません。なかには、標準的な平屋を建てる金額プラス100万〜200万円もかかってしまうケースもあります。

スタイリッシュなデザインも重要ですが、ある程度の予算を決めてからハウスメーカーに相談しておけば、無理のない範囲で家を建てられるでしょう。

 

 

まとめ

デザイン性も機能性も兼ね備えたスキップフロアには、たくさんの特色があることを紹介しました。毎日の生活にメリハリが生まれたり、狭い土地でも広々とした空間を確保できたり、使い方次第でさまざまな発見があります。

 

グランレブリーは、住まいのプロフェッショナルが集結しているハウスビルダーです。設計や企画から建築まで、すべて自社で行っています。お客様一人ひとりのライフスタイルや夢をお聞きしてからご提案するので、ハイクオリティな住まいづくりを実感いただけるでしょう。

 

当社の累積建築戸数は3000戸以上です。スキップフロアの施工実績も豊富にありますので、京都で家を建てるかどうか迷っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 


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