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2024.08.09 / 家づくりコラム
コンセントの位置はどこがおすすめ?注文住宅での決め方
コンセントの位置を適切に配置すると、生活の利便性が高まるだけでなく、長きにわたって快適な暮らしを実現できます。
この記事では、コンセントの位置の決め方に加えて、失敗しがちなポイントやおすすめの設置場所を解説しますので、参考にしてください。
注文住宅で家を建てる際、コンセントの位置をどこにすべきか悩む人は多いです。
考えることが面倒で設計士に任せきりにしてしまうと、使いにくいところにコンセントが配置されてしまい、生活に不便が生じるかもしれません。
そこでこの記事では、コンセントの位置をどのように決めるべきか、どこに配置すべきなのかなどを詳しく解説します。
コンセントの位置を決める際のコツも紹介していますので、これから家を建てようと考えている人はぜひ参考にしてください。
コンセントの位置の決め方
コンセントの位置を決める際は、以下の手順に従って行うことをおすすめします。
1. 今の家電の使用状況を把握する
2. 間取り図に家具と家電を配置する
3. コンセントの位置と数を決める
4. 将来を考慮して追加する
各手順についてわかりやすく解説します。
手順1:今の家電の使用状況を把握する
最初に、使用中の家電や新居で使う予定がある家電をすべて書き出して把握しましょう。その際、家電を使用する場所や時間帯も整理します。たとえば、掃除機は各部屋で毎日使用する、ドライヤーは脱衣所で夜に使用するなどです。 加えて、使用頻度が少ない季節家電やホットプレートなどもきちんと書き出しておきましょう。この段階での情報収集が不十分だと、新居のコンセント配置が不便になり、後悔する可能性があります。 そのあとは、使用しているコンセントの数と各コンセントをどの家電が使っているのかを書き出しましょう。たとえば、リビングにあるコンセントを「リビング1」などと名前を付け、真横に使用中の家電、たとえばテレビなら「テレビ」と書き出します。 このようにして、すべての部屋のコンセントと使用中の家電を書き出せば、具体的な使用状況が把握できます。
手順2:間取り図に家具と家電を配置する
続いて、間取り図に家具と家電を配置しましょう。まずは家具の配置から始めることをおすすめします。コンセントが家具の背後に隠れてしまわないように、家具の位置を先に決め、そのあとでコンセントを配置すると効率的です。 たとえば、食器棚の場合、縦・横・高さをすべて計測し、部屋のどこに置くかを正確に間取り図に書き込みます。模様替えの予定があるなら、その後の配置も点線で示しておくとよいでしょう。 細かな作業が求められる分、時間がかかる可能性があります。家族で分担したり、少しずつ進めたりするのがおすすめです。 家具の配置が終わったら、書き出した家電を間取り図上の適切な場所に配置します。その際、家具と同様に大型家電のサイズを計測しておくと、実際に住み始める際に問題なく配置できます。
手順3:コンセントの位置と数を決める
次は間取り図を参考にして、コンセントの位置と数を決定します。コンセントは、家具の背後に隠れないようにしつつ、家電のコードが届く位置に設置することが重要です。コードが目立たないように工夫することで、見た目もすっきりとさせられます。 たとえば、テレビを接続するコンセントは画面の真後ろに配置すると、コードが見えずにきれいにまとまります。また、掃除機用のコンセントは、コードの長さを考慮し、部屋全体を掃除する際に差し替えが必要ない位置に配置しましょう。 コンセントの位置が決まったら、消せる色ペンなどを用いて位置や高さを記入します。その後、コンセントの差込口の数を決定しましょう。接続する家電の数を考慮し、同じタイミングで使う家電を数え、必要に応じて差込口を1か所多めに設置します。 たとえば、子どもの勉強机の横にパソコンやタブレット、鉛筆削り、スマートフォンの充電器を接続する場合、コンセントの差込口を5つにしておくと、扇風機などを追加で使用する際にも便利です。 差込口の数も同様に、間取り図上のコンセントの位置の横に消せる色ペンなどで書き込んでおくと変更しやすくなるため、柔軟に配置できるでしょう。
手順4:将来を考慮して追加する
今後の生活を見据えて、利用する可能性があるコンセントをあらかじめ追加しておきましょう。あとで増設するとなると費用も手間もかかるため、事前の計画が大切です。 たとえば、幼い子どもが成長すれば、自室でパソコンやスマートフォンを使うようになるでしょう。家族が年齢を重ねるにつれて、電動ベッドなどの介護用機器が必要になる可能性も考えられます。 現時点で必要ないと思われる場所にも、将来使う可能性があるなら、予備のコンセントを設けておく方が賢明です。将来を見越したコンセント配置は、長期間にわたって快適な住宅を実現するのに役立つでしょう。
コンセントの種類
コンセントには、主に以下の7種類があります。
● 単相100V
● 単相200V
● テレビコンセント
● 床下コンセント
● 接地極付きコンセント
● USBコンセント
● 屋外用コンセント
それぞれの特徴について解説します。
●単相100V
一般的な家庭で広く使われているのは単相100Vのコンセントで、スマートフォンやパソコンといったさまざまな家電に適しています。単相100Vは差し込み口が2つあり、右側の穴が左側よりも小さく作られています。 右側に電圧がかかっており、左側は地面に繋がって電気を外に逃がす役割を果たしているためです。単相100Vには極性があり、右側の縦穴が小さく設計されています。普段使う家電には影響がありませんが、特定の機器では左右の極性を合わせる必要があるためです。 このような配慮により、家庭内で安心して電気を使用できるようになっています。
●単相200V
単相200Vのコンセントは、通常より高い電力が求められるエアコンやIHクッキングヒーターなどに使用されます。オール電化を採用する家庭が増加しているため、単相200Vのコンセントを設置する住宅も増えつつあります。 なお、単相100Vと単相200Vのコンセントを比較すると、形は異なるものの、使用にかかる電気料金に違いはありません。入居したあとに他種のコンセントを200Vにする場合は、工事費用がかかってしまうため、注意が必要です。 どこに200Vのコンセントを設置するかは、建築段階で考えておくとよいでしょう。
●テレビコンセント
テレビコンセントは、アンテナ端子が付いたテレビのために作られたコンセントです。テレビコンセントの形状は通常のコンセントとは異なり、丸い形をしています。ネジ式のF型ジャックとネジなしのプッシュ式ジャックの2種類がありますが、現在よく使われるのはF型ジャックです。 また、配線がしやすいようにテレビの設置位置も考えておきましょう。あらかじめ決めておくと配線作業も簡単になり、見た目もスッキリと整えられます。
●床下コンセント
床下コンセントは壁から離れた場所でも電源を確保できるため、リビングやダイニングの床に設置すると便利なコンセントです。とくにダイニングテーブルでIHクッキングヒーターやパソコンを使うときに役立つでしょう。 加えて、床下コンセントは床下に収納されているため、普段は目立たずにすっきりとした空間を保てます。種類としては、プラグが床下に収納されるタイプと、使用時に床から飛び出してくるタイプがあります。 キッチンの利便性を高めたい場合は、床下コンセントの導入を検討してみましょう。
●接地極付きコンセント
接地極付きコンセントは、電圧を地面に逃がして、感電や漏電を防ぐ役割を果たす重要なコンセントです。万が一家電が故障しても、アースを通じて感電のリスクを減少させることが可能です。 接地極付きコンセントは、通常のプラグの挿し込み口の下にアース線を接続する端子が設けられています。冷蔵庫や電子レンジを使用するキッチン、洗濯機や乾燥機を設置する脱衣所など、水回りに設置されることが多いです。
●USBコンセント
USBコンセントは、スマートフォンやタブレットなどのUSBに対応している電子機器を充電できる便利なコンセントです。電源アダプターを使わずに充電できることが特徴で、最近では住宅だけでなく、自動車や新幹線、飛行機などでも見かけるようになりました。 通常、充電する際は電源アダプターが必要ですが、USBコンセントがあれば電源アダプターは不要です。USBは世界中で使われている規格であるため、海外の電子機器でも変圧器なしで充電できます。
●屋外用コンセント
屋外用コンセントを設置することで、屋外でも電化製品を利用できるようになります。たとえば、バーベキューやガーデニングなどで電源を確保したいときに役立つでしょう。 ほかにも、夜間の庭の照明や防犯カメラの電源として、あるいは車の掃除や電動工具の使用時にも便利です。また、ガーデンパーティーでの調理器具や音響設備の電源としても重宝します。 なお、屋外用コンセントには防水カバーが付いており、雨や湿気から守る設計となっているため、漏電などの心配は不要です。
コンセントの位置で失敗しやすい点
コンセントの位置で失敗が多いのは、以下の6点です。
● 使いやすい位置にない
● 数が少なすぎor多すぎ
● 家具に隠れてしまう
● 目立つ場所にある
● 高さが合わない
● 位置の変更が難しい
それぞれのポイントにおいて、なぜ失敗が多いのかを解説します。
●使いやすい位置にない
コンセントが使いやすい場所にないと不便に感じるため、ストレスの原因になりがちです。リビングやキッチンには比較的多くのコンセントが設置されているため、不便を感じることは少ないかもしれません。 しかし、普段あまり使用していない部屋のコンセントの位置は忘れてしまうこともあるでしょう。そのため、建築段階からどこでどの家電製品を使うのかを考え、必要な数のコンセントを適切に配置することが重要です。
●数が少なすぎor多すぎ
コンセントの数が少なすぎる、あるいは多すぎる場合も、後悔の原因になるかもしれません。コンセントが不足していると、必要な場所にコンセントがなく、延長コードや電源タップを多用することになり、部屋全体の印象が悪くなる可能性があります。 一方、コンセントを過剰に設置すると、ほとんど使われないものが出てきてしまい、失敗したと感じる人も多いです。適切なコンセントの数を見極めるためには、建築段階でしっかりと計画を立てることが重要です。 たとえば、冬は電気毛布や電気ストーブ、加湿器、こたつなど、ほかの季節より多くの家電が必要になります。不足分を延長コードで補うと、タコ足配線など安全面でのリスクがともなうため注意が必要です。
●家具に隠れてしまう
家具の配置を考えずにコンセントの位置を決めてしまうと、コンセントが家具の裏に隠れてしまい、必要なときに使えずに不便に感じるでしょう。こうした失敗を避けるためには、家具や家電製品の配置を事前に決めたうえで間取りを考えることが大切です。 具体的には、どの場所で何を使用するかを明確にし、コンセントの位置と数を計画します。さらに、必要な電気容量もある程度は把握できるため、安全で効率的な電力供給が可能となります。
●目立つ場所にある
コンセントが目立つ場所に設置されていると、空間の美観を損ない、デザインの邪魔になることがあります。たとえば、濃い色の壁紙の上にコンセントがあると、悪目立ちしてしまい、後悔することになるかもしれません。 そのため、コンセントの位置決めや壁紙選びは、部屋全体のデザインを考慮して慎重に行う必要があります。生活感が出やすいコンセントですが、設置場所やカバーの工夫によって目立たなくすることが可能です。 たとえば、視線が集中しにくい場所に配置する、壁と同色のコンセントカバーを使用するなどが考えられます。
●高さが合わない
一般的に、コンセントは床から約25cmの高さに設置されることが多いです。しかし、冷蔵庫や洗濯機などの大きな家電を設置する場合は、高さを調整する必要があります。家電を買い替えた際に、プラグが届かないというトラブルを防ぐためです。 とくに通常とは異なるデザインの家電を使用する場合は、高さが合わずに使いにくくなることがあります。こうした問題を避けるためには、建築会社に具体的な設置希望を伝えておくことが重要です。 あらかじめ使用する家具を考えておき、コンセントの高さを調整しておくことで、後々の手間や不便さを防げるでしょう。
●位置の変更が難しい
コンセントの位置はあとから変更できるものの、場所によっては大規模な工事が必要になり、思わぬ出費につながる場合があります。とくにエアコンのように専用線が必要なコンセントの移動は、費用と手間がかかるケースが多いです。 そのため、コンセントの位置は変更しなくてもストレスなく使えるように、事前によく考えて決定することが重要です。家電や家具の配置を念頭に置き、生活動線や使用頻度を考慮して適切な位置に配置することで、快適に過ごせる住まいを実現できるでしょう。
コンセントの位置を決める際のコツ
コンセントの位置を決める際は、以下5つのコツを押さえて行いましょう。
● 生活動線を意識する
● 水がかからない位置に配置する
● 高さは家具や家電に合わせる
● 屋外にも付ける
● 建築業者の意見を聞く
それぞれのコツについて解説します。
●生活動線を意識する
コンセントの位置を決める際は、実際に暮している様子を思い浮かべ、生活動線を意識することが重要です。生活動線とは、家の中での日常的な移動や動作の流れを指します。 生活導線を意識してコンセントの位置を考えると、使いにくい場所にコンセントがある、または必要な場所にないといった問題を避けられるでしょう。また、動線を意識してコンセントを配置することで、日常の家事や作業がスムーズになり、ストレスを軽減できます。 たとえば、掃除機をかける際にコンセントの位置が遠いと不便ですが、動線上に適切に配置されていれば移動の手間を省喰ことが可能です。
●水がかからない位置に配置する
漏電やショートが起こらないように、キッチンや洗面所などの水周りにコンセントを設置する際は、水がかからない位置に配置することが求められます。たとえば、つり戸棚の下にコンセントとコードをまとめるコードクリップを設置するなどです。 このように工夫することで、コンセントやコードが水に濡れる心配がなくなります。洗面所では、ドライヤーのコンセントを頭に近い位置に設置することで、水がかかる心配がなくなるうえに、使い勝手もよくなるでしょう。
●高さは家具や家電に合わせる
一般的なコンセントの高さは、床から25~45cm程度、腰をかがまずに差し込める高さは40~45cm程度です。しかし、実際には家具や家電の高さに合わせてコンセントの高さを決めることで、より快適で安全な環境を実現できます。 たとえば、洗濯機やエアコン、冷蔵庫などの比較的大きな家電は、高い位置にコンセントを設置するとよいでしょう。冷蔵庫や洗濯機で使用するコンセントを高い位置に設置することで、漏電防止にもつながります。 マンションや賃貸の場合は、すでにコンセントの高さや位置は決まっていますが、注文住宅なら各家庭に合わせて柔軟に決められるのが利点といえるでしょう。
●屋外にも付ける
屋内だけでなく、屋外にもコンセントを設置することを検討しましょう。駐車場や玄関前にコンセントがあると、高圧洗浄機や芝刈り機などを使う際に重宝します。 また、電気自動車を使う場合は、駐車場に充電用のコンセントを設置しておくと、あとで増設する必要はありません。セキュリティ面で不安を感じているなら、盗電防止用の保護カバーを取り付けるとよいでしょう。 電力の不正利用を防ぎつつ、必要なときに屋外で電源を利用できる環境を整えられます。
●建築業者の意見を聞く
コンセントの配置を考える際は、建築業者や設計士の意見を取り入れることをおすすめします。設計士にすべて任せきりにするのは失敗の原因となりますが、どのようにコンセントを使用するのかを計画を立て、専門家の意見を反映させることで快適な住環境にできます。 コンセントの位置や高さなどは考えられても、どのコンセントを設置すべきかなどは、専門知識が求められるため、自力では失敗してしまう可能性が考えられます。専門家の知識を活用しながら、生活に適したコンセント配置して、後悔のない新居生活を送りましょう。
コンセントの位置はどこがおすすめ?
コンセントは、以下の位置に設置するとよいでしょう。
● リビング
● ダイニング
● キッチン
● トイレ
● 洗面所・脱衣所
● 寝室
● 階段・廊下
● 玄関
● 屋外
各位置について、なぜおすすめできるのかを解説していきます。
●リビング
リビングには、テレビやエアコン、空気清浄機、通信機器、ゲーム機など、多くの家電が集まります。そのため、リビングのコンセント数が不足していたり位置が悪かったりすると、不便を感じることが多くなるでしょう。 このような事態を避けるために、適切な位置に適切な数のコンセントを配置することが不可欠です。たとえば、テレビの裏側には2口コンセントを2か所以上設けることをおすすめします。 コンセントの差し口が4つ以上あれば、レコーダーやスピーカー、ゲーム機などを接続しやすくなります。また、壁掛けテレビを検討している場合は、コンセントの高さに注意が必要です。 テレビを設置する位置を具体的にイメージし、コンセントの位置を決めましょう。配線が目立たないようにすることで、見栄えがよい空間を維持できます。 模様替えや家具の買い替えによってコンセントの位置が遠くなったり隠れてしまったりすることを考慮に入れて、床下コンセントを取り入れるのもひとつの手です。床下コンセントがあれば、模様替えや家具の買い替えの影響を受けることなく家電を使えるでしょう。
●ダイニング
ダイニングは多くの人が集まって使用する場所になるため、余裕を持って多めに設置しておくとよいでしょう。扇風機やストーブなどの季節家電、掃除道具、間接照明など、さまざまな家電を同時に使えるようになるため、利便性が高まります。 部屋の広さによって、求められるコンセントの数は異なります。たとえば、6〜8畳の部屋では100Vのコンセント4か所と200Vのコンセント1か所、あとは2畳ごとに100Vコンセントを増設すると、ダイニングで必要とされる多くの家電に対応できるでしょう。 コンセントの位置に関しては、照明やゲーム機器に使用する場合は床から30〜40cmの高さ、充電器やテレビに使用する場合は床から50〜60cmの高さに設置するとストレスなく使用できるでしょう。 ダイニングでは、家族全員が利用するため、使用する家電やデバイスの種類も多岐にわたります。そのため、コンセントの設置場所を慎重に計画し、将来的な使用を見越して設置することが大切です。
●キッチン
キッチンは、電力消費の激しい家電を多く使用する場所です。電子レンジや冷蔵庫、オーブンなどを安全に使うには、コンセントの数を増やすだけでなく、電気容量に意識を向けることが欠かせません。 ダイニング同様、コンセントの位置を考える必要があります。たとえば、調理台の高さに合わせてコンセントを設置すると使いやすくなりますが、水や油がかかりやすくデメリットが考えられます。 また、冷蔵庫やオーブンなどの大型家電は、配置に応じてコンセントを設置することが必要です。冷蔵庫の背面やオーブンの近くに専用のコンセントを設置し、使いやすさと安全性を両立させることが大切です。 さらに、キッチンでは日常的に使用する小型家電も多いため、それぞれの家電が使用される場所に合わせてコンセントを配置しましょう。たとえば、コーヒーメーカーやトースターなどの小型家電は、よく使用される場所にコンセントを設けることをおすすめします。 このような工夫によって、日々の家事がよりスムーズになるでしょう。
●トイレ
寒い季節には、部屋間の温度差で起こりやすいヒートショックがトイレで発生することが多いです。そのため、コンセントは少なくとも2か所は設置するようにしましょう。 なお、温水便座用のコンセントは便器の真後ろに配置するのは避けたほうが無難です。掃除がしにくく、ほこりが溜まりやすくなるためです。 多目的用のコンセントは、便器の手前や出入口付近に設けると、冬場に暖房器具を使用する際に便利です。また、プラグタイプの消臭機器を設置する場合にも役立ちます。
●洗面所・脱衣所
洗面所や脱衣所では、洗濯機や乾燥機に加えて、ヘアアイロンやドライヤー、季節家電など、多岐にわたる家電を使用することになるでしょう。そのため、各家電を不便なく使用できるようにコンセントの設置場所を考える必要があります。 洗面所では、美容家電を使いやすくするために、手の届きやすい位置にコンセントを設置しましょう。日常的によく使うドライヤーやヘアアイロンは、洗面台のあたりにコンセントが配置されていると使いやすいのでおすすめです。 しかし、洗面台に備え付けられているコンセントは使用できる家電の消費電力に限度がある場合が多いです。そのため、洗面ボウルから離れた場所に別のコンセントを設けると問題なく使用できるでしょう。 一方、脱衣所では、洗濯機用として腰より高い位置に1か所設置し、もう1か所は足元に配置することをおすすめします。夏場にサーキュレーターを使用したり、冬場に電気ストーブを使用したりする際に役立ちます。 これらのポイントを押さえてコンセントを配置することで、日常の身支度や家事がスムーズに進むでしょう。
●寝室
ほかの部屋同様、寝室もスマートフォンの充電やエアコン、机の電気スタンドなど、さまざまな家電を使用する部屋です。コンセントをうまく配置できないと、延長コードを多用することになり、失敗したと感じるかもしれません。 家具や家電の配置を考慮しながら、必要に応じてコンセントの数を増やしたり位置を調整したりしましょう。たとえば、テレビやAV機器を設置する場合は、テレビを置く位置に2口コンセントを2か所以上設けると便利です。 ほかにも、注意すべきポイントとして挙げられるのは、ベッドの近くで使うことになるコンセントの位置です。スマートフォンの充電や季節家電の使用など、ベッド周辺のコンセントは用途が多岐にわたります。 ベッドでどのように過ごすのかを具体的にイメージし、ベッドに隠れない位置にコンセントを配置するようにしましょう。
●階段・廊下
数や位置を誤ると掃除機をかけにくくなる、夜の階段や廊下が暗くて危険になるといった生活の不便さにつながります。そのため、階段と廊下のコンセントの位置もきちんと考えましょう。 たとえば、階段の一段目のあたりと最後のあたりにコンセントを設置すると、掃除がしやすくなるため、おすすめです。なお、昇った先にコンセントを設ける場合は、階段から少し距離を取った場所にすると、転落のリスクも減らせます。 廊下のコンセントは、廊下の長さにもよりますが、中心あたりにコンセントを設置すると掃除機を使用する際に役立ちます。利便性を考慮して、廊下や階段の照明をいつもつけておく状態にするなら、複数のコンセントを同じ幅で設置するとよいでしょう。 このような工夫により、掃除機をかける際や照明を使用する際に便利な階段・廊下にできます。使い勝手や安全性を考慮して、適切なコンセントの配置を心がけましょう。
●玄関
玄関では掃除道具や照明のほか、場合によってはクリスマスツリーなど季節飾りの用途でコンセントを使用することもあるでしょう。さらに照明器具や水槽など、年中使用するものについては、間取り計画の段階で必要な数を把握しておくことが重要です。 玄関は目につく場所であるため、コンセントの位置にも配慮が必要です。高い位置に設置すると目立ちやすくなるため、下駄箱やドアの影など、人目につきにくい場所に設置することをおすすめします。 たとえば、靴箱の上部にコンセントを配置すると照明や水槽を置くのに役立つでしょう。また、クリスマスやハロウィンなど季節ごとの飾り付けを楽にすることも可能です。 玄関で使用するコンセントには、見た目の美しさと実用性のバランスを取ることが求められます。住み始めてからの使い勝手をイメージしながら、細部まで計画することが大切です。
●屋外
屋外のコンセントは、ライフスタイルや外構に応じて設置する位置や数を慎重に検討しましょう。たとえば、セキュリティ対策を実施する場合は、玄関周りに防犯センサーや防犯カメラ用のコンセントを設けると重宝します。 また、洗車のために高圧洗浄機を使用する場合は、駐車場のすぐそばにコンセントを設けるとよいでしょう。広い庭がある場合は、ガーデニングライトやDIY用のコンセントを設置することをおすすめします。 また、屋外のコンセントで見落としがちなのが、テラスやウッドデッキといった室内と屋外をつなぐ場所での設置です。ホットプレートを使った焼肉やバーベキュー、パーティーなどのイベントをダイニングやリビングで行うとにおいが気になることもあるでしょう。 しかし、延長コードを使って外で行うのは手間がかかります。このような問題を避けるために、テラスやバルコニーなどがある場合は、屋外コンセントを1か所設けましょう。室内のにおいを気にすることなく、快適に調理を楽しめるようになります。 なお、屋外コンセントを設置する際は、防水性と耐候性が求められるため、注意が必要です。設置場所が雨にさらされる場合には、防水カバー付きのコンセントを選ぶようにしましょう。 防犯面も考慮して、コンセントを設置する場所が外部から見えにくい位置に配置する、あるいは盗電防止用の保護カバーを取り付けることも有効です。 家づくりでは、間取りを決める際のコツを押さえて考えることが大切です。こちらの記事では、注文住宅の間取りの決め方を解説しています。ぜひご覧ください。
まとめ
コンセントの位置を決める際は、家電の使用状況を把握し、間取り図に家具と家電を配置することから始めましょう。その後、家具の背後に隠れないようにコンセントの位置と数を決定します。 とくにリビングやダイニングでは、家族や来客が長時間過ごす場所になるため、余裕を持って多めにコンセントを設置するとよいでしょう。トイレや洗面所、寝室、階段、玄関、屋外などについても、それぞれの使用状況を考慮したコンセントの配置が重要です。 グランレブリーでは、お客様の理想の家づくりを叶えるために、さまざまなオプションを準備しています。当社がどのように家づくりに取り組んでいるのか興味をお持ちの方のために、カタログをお渡ししていますので、ぜひご一読ください。