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2025.05.30 / 家づくりコラム
ヌックって本当に必要?後悔しないための活用法と設計のポイント
ヌックって本当に必要?後悔しないための活用法と設計のポイント
近年、自宅での時間を重視する方から、ヌックが新たに注目されています。ヌックとは、家のなかに設置する小さな空間のことで、限られたスペースを有効活用し、快適な時間を過ごせる場所として人気です。
しかし、ヌックをマイホームに設ける際に、設計や活用方法を誤ると後悔する可能性があります。
本記事では、ヌックの特徴から、後悔しないための設置ポイント、設計のコツを紹介します。
ヌックとは?
ヌックとは、家のなかに設置する部屋未満の小さなスペースのことです。設置場所はとくに決まりはありませんが、一般的にLDKなどの居室の一角や階段下、窓際など家の隅に設けられます。 見た目は、扉や壁で仕切らず、段差や異素材によって空間をゆるやかに区切るデザインが特徴です。また、ヌックは家の限られたスペースを活用する目的で設計され、一人でリラックスする場所や集中して作業するための場所として利用されます。 ここからは、ヌックと類似するスペースとの違いを解説します。
ヌックとDEN・小上がりの違い
家のなかの小さなスペースとして、ヌック以外ではDENや小上がりも人気です。それぞれには、どのような違いがあるのでしょうか。 ヌック ・スペース形態:1畳〜3畳程度のこぢんまりした空間 ・主な用途:読書やくつろぎなどを目的とした空間 ・空間との関係性:他空間とのつながりを設け、開放感を重視 DEN ・スペース形態:居室未満の少し閉鎖的な空間 ・主な用途:作業や趣味、集中する場所として使用されることが一般的 ・空間との関係性:家の一部として、少し区切られた感覚の場所 小上がり ・スペース形態:3畳〜4.5畳程度の部屋の一部を一段上げた畳空間 ・主な用途:来客用や寝室、子どもの遊び場など多用途、ただしヌックほどの自由度はない ・空間との関係性:床から一段高くすることで空間に奥行きを与える
ヌックが流行している背景
ヌックが流行している背景には、コロナ禍を経たライフスタイルの変化が影響しています。コロナ禍では、家の中で過ごす時間が増えたことにより、限られた空間の活用が重要な課題となりました。 同時に、リモートワークが普及し、自宅の居心地の良さやプライベートなスペースの確保も求められるようになりました。そのような背景のなか、ヌックは住居空間の有効活用や、自宅で居心地の良いパーソナルスペースを求めるニーズに応える空間として注目を集めています。

おうち時間が豊かに!ヌック設置のメリット
おうち時間をより豊かに過ごすために、ヌックは欠かせないスペースです。ここからは、ヌックを設置するメリットについて紹介します。
プライベートな時間を過ごせる
ヌックを設置するメリットのひとつは、プライベートな時間をしっかりと確保できる点です。ヌックがあることで、リラックスしたいときや集中が必要なときに家族からの干渉を避けられます。 とくに、仕事や家事の合間に一息つける場所があると、ストレスの軽減につながります。ヌックは、家族との共同生活のなかで個人の時間を大切にするためのスペースでもあり、設置することで日常の充実度を高められるでしょう。
デッドスペースを有効活用できる
家には無駄に使われている場所が多く存在します。たとえば、廊下の隅やリビングの角、階段下など、一見使い道がないと思われる空間をそのまま放置しておくのはもったいないものです。 家のデッドスペースを有効活用するには、ヌックがおすすめです。たとえば、階段の下をヌックにすると、子どもの遊び場として活用できます。家のなかに秘密基地のような空間ができ、喜ばれるでしょう。
さまざまな使い方ができる
ヌックは用途に応じて柔軟に変えられるため、さまざまな使い方ができます。たとえば、窓の下にヌックを設置すると、ベンチのように使え、外の景色を眺めながら読書やティータイムを楽しめます。 また、クッションを加えるとリラックススペース、小さな机を置くとワークスペースとしても活用可能です。 このように、家族の暮らし方に合わせて自由にアレンジできるのが、ヌックの魅力です。
メリハリのある空間を演出できる
ヌックを取り入れると、部屋と生活それぞれにメリハリが生まれます。とくに、リビングの一部に設置することで、広さゆえにのっぺりとした印象になる空間に立体感を与え、メリハリのあるおしゃれな雰囲気を作り出せます。 また、ヌックがあると、リビングはくつろぐ場所、ヌックは仕事の場所などと空間の役割を分けることも可能です。そのため、リビングのみで食事や仕事、映画鑑賞など複数の用途を兼ねている場合に比べ、気分の切り替えがしやすくなります。
後悔する人も?ヌックのデメリットと失敗例
ヌックを設置する際は、注意すべきデメリットがあります。使い方や設置場所によっては、期待していた空間にならないことや、思わぬトラブルが発生することもあるためです。ここからは、ヌックの失敗例をお伝えします。
結局使わないケースも多い
ヌックを設置すると、結局使わないケースも少なくありません。たとえば、リモートワークのために活用する予定だったものの、結果的にリビングのほうが集中しやすく、誰も使わなくなってしまうことがあります。 とくに、ヌックの設置場所が不便な場合は、使い勝手が悪くなり、使われなくなる可能性が高まります。そのため、設置前には生活動線や利用シーンを想定したうえで設計しましょう。
意図しない用途で使われる可能性もある
ヌックを設置する際は、意図しない用途で使われることがあります。たとえば、リモートワークや読書スペースとして設計したヌックが、いつの間にか物置スペースとなるケースも少なくありません。 一度物置部屋になると、本来の用途に戻すのが難しくなります。そのため、ヌックの設計段階で使う目的を明確にし、必要な家具や収納を組み合わせることが大切です。
ほかのスペースが削られる
ヌックのために空間を削る場合は、設置しない場合に比べて使い勝手が悪くなります。たとえば、リビングやダイニングにヌックの空間を確保すると、生活全体の動線が不便になる場合や、空間が狭く感じる場合もあります。 ヌックを設置する前は、どのスペースが無駄になりがちな場所かを見極め、有効活用できる場所を検討しましょう。
広さの調整が難しい
ヌックを設計する際は、利用目的に合わせた広さの調節が必要です。目的に対して、狭いもしくは広いといった、適切な設計でないと使用されなくなる可能性があります。 たとえば、リモートワーク用として活用する場合、机やいすを置くスペースを考慮せず、1畳程度にすると物が置けない、広すぎると落ち着かないといった状況が想定できます。事前に目的を検討し、広さを計画することが大切です。
空調が行き届かないこともある
狭いスペースにヌックを設けた場合、エアコンや暖房の効きが悪くなり、快適な温度を保つことが難しくなります。 リビングやダイニングとは異なり、ヌックは狭い空間となるため、空気の流れが制限され、部屋全体の温度調整が不均等になるためです。そのため、ヌックの設計段階で空調が届きやすい位置を検討することが重要です。
コストがかさみやすい
ヌックを設置する際、建設費用がかさみやすい点を考慮しましょう。とくに、内装にもこだわる場合は、インテリアや収納機能の設置に追加費用がかかることもあります。 また、空間の大規模なレイアウト変更が必要になる場合は、その分コストが膨らみます。
ヌックの設置におすすめの場所と広さ
ここまでで、ヌックはさまざまな使い方ができることを解説しました。ヌックを有効活用するためには、具体的にどこに設置し、どれくらいの広さがあればよいのでしょうか。 ここからは、前半に一般的なヌックの設置場所、そして後半におすすめの広さを紹介します。
おすすめの設置場所
ヌックの設置場所は、個人の時間をしっかり確保しつつ、家族の時間を取れる場所がおすすめです。ここからは、ヌックのおすすめの設置場所について紹介します。
リビング・ダイニング
リビングやダイニングは、家族が集まる場所であり、日常的に多くの時間を過ごす空間だからこそ、ヌックを活用することでより快適な生活空間に変えられます。 リビングやダイニングの一角にヌックを設けることで、広がりを持たせつつ、空間の有効活用が可能となるでしょう。たとえば、リモートワークや読書、ちょっとした作業をするための小さなワークスペースとしてぴったりです。
キッチン
キッチンは家の中心的な場所であり、食事の準備や家族との時間を過ごすために欠かせないスペースです。キッチンのコーナーや隙間にヌックを設けることで、料理の合間や食洗器の待ち時間にゆったりできる快適な空間に変えられます。 また、ヌックがあると、キッチンとリビングが分断されている場合と比べて、料理をしながらでも家族やゲストとコミュニケーションを取りやすくなります。
階段下・廊下
階段下や廊下の空間は、通常利用されることなくデッドスペースになりますが、ヌックとして活用することで機能的なスペースに変えられます。 たとえば、階段下のデッドスペースを活用し、リモートワーク用の小さなデスクや読書スペースを作ると、自分だけのスペースを確保できます。 廊下の一角であってもヌックを設置することで、作業スペースや趣味のコーナーとして有効に利用可能です。廊下の場合は、家全体の動線を妨げることなく、空間を最大限に活用できる点がメリットです。
窓際
階段下や廊下の空間は利用されることなく無駄になりやすい傾向にありますが、上手に活用すれば機能的なスペースに変えられます。たとえば、階段下のデッドスペースを活用して、リモートワーク用の小さなデスクや読書スペースを作れば、自分だけのスペースを確保できるでしょう。 廊下の一角も同様に、作業スペースや趣味のコーナーとして有効に利用できます。廊下にヌックを設けることで、家全体の動線を妨げることなく、空間を最大限に活用できます。 こちらの記事では、グランレブリーが手がけるヌックのある住まいを紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
広さの目安
ヌックの広さは、設置する目的に応じて適切なサイズが異なります。一般的には、1畳から3畳程度の広さが目安です。この広さであれば、座って作業をしたり、趣味の時間を楽しんだりするために十分なスペースを確保しつつ、部屋全体のバランスを崩すことなく設置できます。 また、狭すぎると使い勝手が悪くなるため、最低でも1.5畳の広さは確保することをおすすめします。とくに、家族団らんの場としてではなく、リモートワークや読書など一人で静かに過ごす場所とする場合は、1.5畳が理想です。

活用方法別丨ヌックのタイプ
ヌックを設置すると、限られた空間を最大限に活用できます。リモートワークや趣味の時間、リラックスしたひとときを過ごすためのスペースとして、さまざまな活用方法が考えられるでしょう。 ここからは、ヌックの活用方法をタイプ別に紹介し、それぞれの設計のポイントを押さえたうえで、後悔しないための設置法を解説します。
読書スペース(リーディングヌック)
リーディングヌックは、静かな環境で集中して読書を楽しむための理想的な空間です。リビングやダイニングといった共有スペースとは一線を画し、プライベートな時間を確保する場所としておすすめです。 設置場所としては、部屋の隅や窓辺がよいでしょう。とくに、窓辺に設置すると自然光を取り入れられ、日中は明るく開放的な雰囲気を楽しめ、夜間は間接照明による落ち着いた空間を演出できます。 また、ヌック周辺に収納スペースを確保することで、好きな本を手軽に取り出せ、読書空間としての利便性が増します。リーディングヌックは、自宅での読書タイムを豊かにし、心地良い居場所を提供してくれるでしょう。
ワークスペース
ワークスペースとしてのヌックは、リモートワークをする方におすすめです。リビングやダイニングとは別に、家のなかで集中して仕事に取り組める仕事専用のスペースを確保でき、生活空間と仕事空間を明確に分けられます。 また、ヌックは家の一部分の小さいスペースでも設置できるため、余分な広さを取らずに必要な設備を整えやすいのもメリットです。リビングやダイニングに広がりを持たせつつ、静かな作業場所を確保できます。 とくに、窓際に設ける場合は自然光が入る明るい空間が生まれ、仕事のモチベーションを高められるでしょう。
室内園芸スペース
室内園芸スペースとしてヌックを設置すると、限られた空間を有効に活用しながら、自宅で自然を楽しめます。植物を育てることには、リラックス効果や部屋の空気清浄、生活の質向上など、さまざまなメリットがあります。 室内園芸スペースとして活用する場合は、窓辺など日光が入る明るい場所に設置することで、植物が成長しやすい環境を整えることがポイントです。
ペットスペース
ヌックを活用することで、ペットが安心してリラックスできる専用スペースを設けられます。たとえば、リビングの隅にヌックを設置すると、飼い主が適度に見守れるペット用の静かな場所を作れます。 ヌックをペットスペースとして利用する際は、ペットが快適に過ごせるように適切な寝床やクッション、トイレなどを整えるとよいでしょう。
キッズスペース
子どもたちが遊んだり、学んだりするための空間としてヌックを設置する選択肢もあります。とくに、リビングやダイニングエリアに設ける場合、独立した子ども部屋とは異なり、家事をしながらでもコミュニケーションを取れるため安心です。 ヌックをキッズスペースとして活用する際には、収納機能を組み合わせると便利です。絵本やおもちゃ、勉強道具などを整理するための収納棚を取り入れると、スペースを有効に活用できます。 また、子どもの成長に合わせて、スペースの使い方を柔軟に変えられるため、長期的にも役立つ空間となります。
多目的スペース
ヌックは多目的スペースとしても利用できます。たとえば、階段下にベンチ代わりのスペースとして設計することで、来客対応の際に便利です。 また、アイロンがけや簡単な作業をするためのスペースとしても活用可能です。ヌックの空間に作業台を設けることで、家全体をスッキリと保ちながらも必要な作業を快適に行えるエリアを作り出せます。
理想のヌック作りのポイントは事前の計画!
ヌックを設置したあとに後悔する原因の多くは、事前の計画不足にあります。そのため、理想のヌックを作るには、事前にしっかりと計画を立てることが重要です。 ここからは、ヌックを設置する際に押さえておきたいポイントを紹介します。
何のために作るのかを明確にする
理想のヌックを作るためには、まず設置目的を明確にすることが重要です。何のためにヌックを設けるのかを明確にすることで、空間設計がスムーズに進み、理想的な空間を作りやすくなります。 たとえば、仕事用スペースとしての利用を目的とする際は、日中に長時間快適に過ごせるよう、設置位置や照明の配置を考慮し、機能的かつ集中できる空間設計が必要です。 ヌックの設置目的をしっかりと決めることで、不必要なスペースやアイテムを省き、必要な要素のみを取り入れられるため、空間がより使いやすく快適になります。
壁で仕切らずに別空間を作り上げる
理想のヌックを作るためには、壁で仕切らず、素材や床・天井の高さ、色合いを変えることでゆるやかなゾーニングを取り入れることもポイントです。この設計により、ほかの空間との一体感を保ちながら、プライベート感を演出できます。 たとえば、部屋全体の壁にホワイトベースの壁材を使用している場合は、ヌックのみパステルピンクやブルーを使用するといった色合いを変える工夫がおすすめです。 また、リビングと同じ床材を使用する場合でも床に対してヌックを一段上げることで、エリアを区別しつつ、一体感のある部屋に仕上げられます。
居心地の良さを確保する
理想のヌックを作るためには、居心地のよさを確保することが重要です。居心地のよさを高めることで、ヌックを最大限活用できます。 ここからは、ヌックの居心地の良さを確保するためのポイントを紹介します。
通気性
ヌックを設置する際に重要なのは、通気性を確保することです。空気の流れを意識的に設計することで、ヌック内の空気がこもらず、快適な環境を維持できます。 狭いスペースでも適切な通気を確保するためには、窓の設置が効果的です。一方、窓がない場合は通気口を設けましょう。また、家具の配置を工夫し、空気の流れを妨げないようにすることも大切です。
照明
適切な照明を選ぶことでヌックの雰囲気が大きく変わり、リラックスできる場所を作り上げられます。とくに、夜間は間接照明やスタンドライトを使い、やわらかな光でヌックを包み込むとよいでしょう。 照明を設計する際は、ヌックを使用する時間帯や目的を考慮して、明るさを調整できるようにすると便利です。 また、電源やコンセントの設置も計画的に行いましょう。作業用のヌックには、パソコンや家電を使うためのコンセントを適切な位置に配置することもポイントです。
収納
用途に応じた収納スペースを確保すると空間をスッキリと保て、快適に過ごせます。たとえば、棚を設置するだけでなく、床下収納やベンチ下収納などを作り、ヌックの小さなスペースを無駄なく使用する工夫がポイントです。 ただし、ヌックが物置になることを防ぐためには、収納スペースの使い方を工夫する必要があります。物が溢れてしまうと、散らかった印象を与えかねません。 定期的に整理整頓し、必要な物のみを収納しましょう。ヌックは、あくまでも機能的でリラックスできる空間として使用することが理想です。

まとめ
ヌックを設置することで、家の空間を有効に活用し、居心地の良い場所を作り出せます。しかし、計画性が不十分な場合は、物置部屋になるなど有効に活用できないおそれがあります。長期的にヌックを活用するためには、活用目的に応じた空間設計を念入りに計画することが重要です。 グランレブリーでは、設計から施工まで一気通貫で引き受けることで、高品質な住まい作りを実現しています。施工実績が豊富で、ヌックの施工事例も多数ございます。 また、お客さま一人ひとりのご要望に寄り添ったヒアリングを強みとし、理想の住まいを作るためのご提案が可能です。 豊富なオプションのもと自由度の高い設計を手がけており、ライフスタイルに合うお住まいを提供いたします。まずは、お気軽にお問い合わせください。
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